「とにかく、入ってみよう。そしたら分かるよ」
「うん」
僕と『八千歳』は、魔法陣の前に立った。
「よーし、行こっか。せーのっ」
「せーのっ」
ひょい。
二人で一緒に、魔法陣に飛び乗る。
瞬間、赤い輝きが増した。
「お、行けるんじゃない?」
「どうかな。『八千歳』に反応してるだけかも…」
今頃この魔法陣、認証とかしてるのかな?
はい、こっちの人は魔導師だから通過、こっちの人は魔導師じゃないっぽいから拒否、みたいな。
それは分からないけど。
『八千歳』がここを通過出来るのは確実だから。
だから、先に言っておく。
「『八千歳』」
「何?」
「気をつけてね。必ず、また会おう」
僕がそう言うと、『八千歳』はしばしぽかんとして。
それから、堪えきれなくなったように笑った。
「馬鹿だなー。俺を誰だと思ってんの」
「『八千歳』」
「じゃあ大丈夫だ。俺も、『八千代』が帰ってこないかもなんて、微塵も思ってない」
それなら良かった。
「それより、競争しよーよ。どっちが早く帰ってこられるか、競争」
と、『八千歳』が提案した。
競争か。成程。
「それは楽しそうだね」
「じゃー決まりね。負けた方は、勝った方に好物を奢る、ってことで」
負けられない戦いが始まってしまった。
もし負けたら、僕は『八千歳』に、いちご大福を奢らなければならなくなった。
逆に僕が勝ったら、『八千歳』に桜餅を奢ってもらえる。
…よし、頑張ろう。
その為には、まず魔法陣に僕を魔導師認定してもらわなければ。
僕は、足元で光を増す魔法陣に、語りかけるように言った。
「…僕は魔導師だよ。だから、僕を異次元世界に連れてって」
その声に応えるように。
僕の目の前が、真っ白になった。
「うん」
僕と『八千歳』は、魔法陣の前に立った。
「よーし、行こっか。せーのっ」
「せーのっ」
ひょい。
二人で一緒に、魔法陣に飛び乗る。
瞬間、赤い輝きが増した。
「お、行けるんじゃない?」
「どうかな。『八千歳』に反応してるだけかも…」
今頃この魔法陣、認証とかしてるのかな?
はい、こっちの人は魔導師だから通過、こっちの人は魔導師じゃないっぽいから拒否、みたいな。
それは分からないけど。
『八千歳』がここを通過出来るのは確実だから。
だから、先に言っておく。
「『八千歳』」
「何?」
「気をつけてね。必ず、また会おう」
僕がそう言うと、『八千歳』はしばしぽかんとして。
それから、堪えきれなくなったように笑った。
「馬鹿だなー。俺を誰だと思ってんの」
「『八千歳』」
「じゃあ大丈夫だ。俺も、『八千代』が帰ってこないかもなんて、微塵も思ってない」
それなら良かった。
「それより、競争しよーよ。どっちが早く帰ってこられるか、競争」
と、『八千歳』が提案した。
競争か。成程。
「それは楽しそうだね」
「じゃー決まりね。負けた方は、勝った方に好物を奢る、ってことで」
負けられない戦いが始まってしまった。
もし負けたら、僕は『八千歳』に、いちご大福を奢らなければならなくなった。
逆に僕が勝ったら、『八千歳』に桜餅を奢ってもらえる。
…よし、頑張ろう。
その為には、まず魔法陣に僕を魔導師認定してもらわなければ。
僕は、足元で光を増す魔法陣に、語りかけるように言った。
「…僕は魔導師だよ。だから、僕を異次元世界に連れてって」
その声に応えるように。
僕の目の前が、真っ白になった。


