…仕方ない。
ここは、俺が代わりに。
「悪いな、証明書は俺の分だけなんだが、これで納得してもらえるか?」
俺は、認知症を発症したであろうシルナの代わりに、聖魔騎士団魔導部隊所属を示す、身分証明書を差し出した。
そこには、ちゃんと名前、写真、聖魔騎士団の印鑑付きで、俺が聖魔騎士団魔導部隊特務隊隊長であることを示す文言が、簡潔に記されていた。
「羽久が私に失礼なことを考えてる気がするけど…今は羽久に助けられてるから、何も言えない…」
シルナが何やらぶつくさ言ってるが、無視だ。
「え…!ほ、本当に…!?」
エンブレムと違って、この証明書は、レプリカの製造はおろか、コピーも禁止されている。
恐らく初めて目にするであろう、この証明書に、駅員さんもびっくりである。
「あぁ、本当だ。聖魔騎士団から命じられて、ここに来た。シャネオンでトラブルが起きたらしいから、ちょっと見に行ってくれってな」
と、俺は言った。
口から出任せだ。
聖魔騎士団は何の関係もない。ただ、うちのシルナが「生徒を迎えに行くんだ!」と我儘言うから、来ただけで。
でも、こう言った方が、相手にしてもらえるだろう?
後でシュニィに頼んで、後付で指令書作っといてもらおう…。ごめんな。
「そ、そうでしたか。そうとも知らず、ご無礼を…」
駅員さんは、慌てて頭を下げたが。
あんた、今日もう何回も何回も、下げなくても良い頭、下げ過ぎだから。
あんたのせいじゃないんだから、もう謝らなくて良い。
「とりあえず、事情説明してもらえるか?」
「は、はい。どうぞ、中でお話します」
と、駅員さんは、特別に駅員室に案内してくれた。
ここは、俺が代わりに。
「悪いな、証明書は俺の分だけなんだが、これで納得してもらえるか?」
俺は、認知症を発症したであろうシルナの代わりに、聖魔騎士団魔導部隊所属を示す、身分証明書を差し出した。
そこには、ちゃんと名前、写真、聖魔騎士団の印鑑付きで、俺が聖魔騎士団魔導部隊特務隊隊長であることを示す文言が、簡潔に記されていた。
「羽久が私に失礼なことを考えてる気がするけど…今は羽久に助けられてるから、何も言えない…」
シルナが何やらぶつくさ言ってるが、無視だ。
「え…!ほ、本当に…!?」
エンブレムと違って、この証明書は、レプリカの製造はおろか、コピーも禁止されている。
恐らく初めて目にするであろう、この証明書に、駅員さんもびっくりである。
「あぁ、本当だ。聖魔騎士団から命じられて、ここに来た。シャネオンでトラブルが起きたらしいから、ちょっと見に行ってくれってな」
と、俺は言った。
口から出任せだ。
聖魔騎士団は何の関係もない。ただ、うちのシルナが「生徒を迎えに行くんだ!」と我儘言うから、来ただけで。
でも、こう言った方が、相手にしてもらえるだろう?
後でシュニィに頼んで、後付で指令書作っといてもらおう…。ごめんな。
「そ、そうでしたか。そうとも知らず、ご無礼を…」
駅員さんは、慌てて頭を下げたが。
あんた、今日もう何回も何回も、下げなくても良い頭、下げ過ぎだから。
あんたのせいじゃないんだから、もう謝らなくて良い。
「とりあえず、事情説明してもらえるか?」
「は、はい。どうぞ、中でお話します」
と、駅員さんは、特別に駅員室に案内してくれた。


