神殺しのクロノスタシスⅣ

すぐりが糸魔法で、校内を隈なく探し回り。

更に令月も「怪しい」部分を探って、見つけてきてくれた。

見つかったモノがモノだけに、一つでも残してはいけない、と思い。

急遽聖魔騎士団に連絡し、応援を呼んだ。

エリュティアと無闇、そして事の次第を聞きつけたアトラスとシュニィのルシェリート夫妻まで、わざわざ学院に来てくれた。

まずは早速、エリュティアの探索魔法で、校内と学生寮、校門や外壁に至るまで。

とにかく、イーニシュフェルト魔導学院の敷地全てを、隈なく探してもらった。

とはいえ、既に全てすぐりが見つけてくれていたので、エリュティアの探索魔法に引っ掛かったブツは、一つもなかったが。

すぐりの糸魔法、優秀過ぎるだろ。

まさか、探索魔法紛いの芸当までこなしてみせるとは。

本人は、暗殺者として当然の嗜み、と言っているが。

今回は、それが功を奏した。

見つかったのは、消しゴム型爆弾を始めとした、小型爆弾が20個。

更に、電球やコンセントの傍に仕掛けられていた盗聴器が、同じく20個。

ついで感覚なのかは知らないが、訓練場や教室に、10個のカメラまで仕掛けられていた。

何だ。この探偵モノに出てきそうなアイテムのバーゲンセールは。

笑い事じゃないんだぞ。

ちなみに、カメラと盗聴器の方は、見つけた傍から、令月が小刀で破壊してくれた。

ので、俺達がこうして集まって、この集められたバーゲンセールの山を見ていることを、『サンクチュアリ』の連中は知らない。

一生知らなくて良い。

「こう見てみると、壮観だね〜」

「大変だったろうね。オープンスクールの間に、こんなに仕掛るなんて」

沈黙している大人達とは裏腹に。

子供達は、無邪気な様子で感嘆としていた。

お前ら、不謹慎だぞ。何で敵を労ってんだ令月は。

こいつらは前の職業柄、こういうものは見慣れているんだろうが。

俺達は違う。

そしてこういったものが、学院の中に持ち込まれたことの、事態の重大性を知っている。

だから、無言にもなるのだ。

出来ることなら、子供達二人は、学生寮に帰ってもらいたいところだが。

如何せん、これらを見つけてきたのはこの二人なのだから。

追い返すこともできない。畜生。

すると。

「…悲嘆に暮れていても仕方がない。早いところ、対策を考えよう」

聖魔騎士団長のアトラスが、最初に口火を切った。

「…そうですね。起きてしまったことは、もうどうしようもありません。これから変えられることを変えなくては」

アトラスの妻であり、聖魔騎士団魔導部隊隊長であるシュニィも、アトラスに同意した。

そして。

「…そうだね、二人の言う通りだ」

ずっとしょんぼりモードだったシルナも、ようやく目に生気を宿した。

「こんなときだからこそ、私がしっかりしなくちゃね…。…よし」

シルナは、自分で自分に気合を入れていた。

…そうだな。

起きてしまったことは、どうしようもない。シュニィの言う通りだ。

それは置いておくとして、対抗策を考えなくては。