じゃ、いっちょ始めてみようか。
俺は、突き出した両手から、大量の糸玉を出現させた。
「…?何それ?どうするの?」
と、首を傾げる学院長。
まぁ見てなって。
「よっ」
「わっ!」
握っていた手のひらを開くと、大量の糸玉から、無数の透明な糸が放出された。
しゅるしゅるしゅる、と小さな音を立てて、糸がぐんぐん伸びていく。
「な、何それ…?」
「便利でしょ?この糸で、色んな隙間に入り込んで、異物を探して検知するんだよ」
「…!そんなこと出来るんだ?」
心外だなー。
そんなことも出来ないと思ってたの?
「これでも、元暗殺者だからねー。監視の目を潰したり、セキュリティを破壊する為に、狭い隙間を潜り抜けられる糸は、凄く便利なんだよ」
「ほぇ〜…。凄いね〜…」
「…良いな『八千歳』…。そんな器用なこと出来て…」
学院長は感心し、『八千代』は羨ましそうに俺を見ていた。
まー、『八千代』は力魔法しか使えないからねー。
こういう、索敵や偵察みたいなことは、苦手分野だよねー。
それ以外は、ほぼ全て俺より上なくらいなんだけど。
…それより。
「…ん?」
糸が、異物をキャッチした。
「ど、どうしたの?」
「何かあるね、ここ…」
俺の繰り出した糸の一本が、異物の存在を認めた。
何だろう?これ。
「えっ。ど、何処!?何処に何があるの?」
「ちょっと落ち着いてって。何処にあるかは分かっても、具体的に何があるのかまでは分からないんだよ。俺の糸に、目はついてないからね」
あくまでも、糸から伝わる感触で、それが何なのか判断するしかない。
でも、この感触って…。
…十中八九、間違いない。
とはいえ、実物を見て確認しないことには、確実なことは言えない。
「ちょっと、現場に行ってみよう」
「げ、現場って?」
「これは…六年生の教室だね。レッツゴー」
俺は、慌てる学院長と、比較的冷静な『八千代』と共に、現場である六年生の教室に向かった。
この教室の中に、ある。
「ど、何処っ、何処っ?何かトラップとか仕掛けられてるの!?」
本当にトラップが仕掛けられているなら、何も知らない生徒はあっという間に引っ掛かるだろうね。
それだけは、阻止しないとなぁ。
「ここだね」
俺は、教卓に一番近い、最前列ど真ん中の席。
その席の机の中に、手を突っ込んだ。
すると。
出てきたのは、四分の一ほど削れて丸くなった、市販の消しゴムだった。
俺は、突き出した両手から、大量の糸玉を出現させた。
「…?何それ?どうするの?」
と、首を傾げる学院長。
まぁ見てなって。
「よっ」
「わっ!」
握っていた手のひらを開くと、大量の糸玉から、無数の透明な糸が放出された。
しゅるしゅるしゅる、と小さな音を立てて、糸がぐんぐん伸びていく。
「な、何それ…?」
「便利でしょ?この糸で、色んな隙間に入り込んで、異物を探して検知するんだよ」
「…!そんなこと出来るんだ?」
心外だなー。
そんなことも出来ないと思ってたの?
「これでも、元暗殺者だからねー。監視の目を潰したり、セキュリティを破壊する為に、狭い隙間を潜り抜けられる糸は、凄く便利なんだよ」
「ほぇ〜…。凄いね〜…」
「…良いな『八千歳』…。そんな器用なこと出来て…」
学院長は感心し、『八千代』は羨ましそうに俺を見ていた。
まー、『八千代』は力魔法しか使えないからねー。
こういう、索敵や偵察みたいなことは、苦手分野だよねー。
それ以外は、ほぼ全て俺より上なくらいなんだけど。
…それより。
「…ん?」
糸が、異物をキャッチした。
「ど、どうしたの?」
「何かあるね、ここ…」
俺の繰り出した糸の一本が、異物の存在を認めた。
何だろう?これ。
「えっ。ど、何処!?何処に何があるの?」
「ちょっと落ち着いてって。何処にあるかは分かっても、具体的に何があるのかまでは分からないんだよ。俺の糸に、目はついてないからね」
あくまでも、糸から伝わる感触で、それが何なのか判断するしかない。
でも、この感触って…。
…十中八九、間違いない。
とはいえ、実物を見て確認しないことには、確実なことは言えない。
「ちょっと、現場に行ってみよう」
「げ、現場って?」
「これは…六年生の教室だね。レッツゴー」
俺は、慌てる学院長と、比較的冷静な『八千代』と共に、現場である六年生の教室に向かった。
この教室の中に、ある。
「ど、何処っ、何処っ?何かトラップとか仕掛けられてるの!?」
本当にトラップが仕掛けられているなら、何も知らない生徒はあっという間に引っ掛かるだろうね。
それだけは、阻止しないとなぁ。
「ここだね」
俺は、教卓に一番近い、最前列ど真ん中の席。
その席の机の中に、手を突っ込んだ。
すると。
出てきたのは、四分の一ほど削れて丸くなった、市販の消しゴムだった。


