まぁ、神妙な顔して、不思議な方言で話すツキナも可愛いから。
俺は、別に良いんだけど。
「米なんてなー、食えんのは、盆と正月だけだったんだ」
「そうなんだ」
「そりゃあ苦労したもんだー。今のわけーもんは幸せさなー。今は米も何もかんも、捨てるくらいあるだろ。苦労を知らねーわけーもんばっかだぜよ〜」
「ごめんね、苦労知らなくて」
「ほーだほーだ。もっと苦労せにゃならんぜよ」
「分かった。もっと苦労する」
俺達、生まれたときから結構苦労してきた気がするんだけど。
まだ苦労したいの、『八千代』は?ドMか何か?
あと、そろそろ。
その、謎の方言と作り話も、きつくなってきたんじゃないの?
「そいでさー、春んなったら山に行ってよー…」
「…ねぇ、ツキナ」
「…何ぜよ?」
「それ、そろそろきつくなってない?」
「…」
あ、黙っちゃった。
さては、図星だな?
じゃあ、ちょっと軽く追撃を入れてみよう。
「現実見ようよ、現実。…大根の種蒔き、もう終わっちゃったよ?」
あんなに、苦労して畑を耕したにも関わらず。
誰一人、部活体験どころか。
見学に来る生徒もおらず。
イーニシュフェルト魔導学院園芸部は、今日一日を、畑耕し隊の三人だけで過ごした。
昼頃までは、「来ないな〜」って軽く喋ってたんだけど。
午後が来てからは、なんかヤバい空気を感じて。
仕方がないから、「先に種蒔き始めよっか」と種蒔きを始め。
種蒔いてる間に、一人でも見学する人が来てくれないかなぁ…と。
思っている間に、種蒔き終了。
肥料もしっかり混ぜ込んで、水もやって、大根の植え付け終了。
今体験に来られたとしても、何もやることないよ。
つまり、園芸部は、一人の生徒も来なかったということになるが。
そこのところ、ツキナは分かって、
「…ふぇ」
「あ」
ツキナの目に、ぶわっ、と涙が浮かんだ。
あーあ…。泣かしちゃったよ。
「だって〜!こんなに来ないなんて思わなかったんだもん〜っ!」
ツキナは半泣きでそう叫び。
あろうことか、『八千代』にしがみついた。
おい。『八千代』そこ代われ。
普通逆でしょ?俺じゃないの?何で?
「誰も園芸部に興味ないなんて〜!酷いよ〜!うぇーん!」
ツキナは、泣きじゃくりながら『八千代』にしがみついていた。
ツキナにしがみついてもらえるという、この上ない極上のご褒美を受けているというのに。
朴念仁の『八千代』は。
「…鼻水つけられてる…」
と、この反応。
マジで切実に、そこ代わってって。
「何で皆来てくれないんだ〜っ!うぉぉーん!」
「畑耕すの、大変だからじゃないかな?」
「うわぁぁん!隊員その2がマジレスしてくる〜っ!」
隊員その2、『八千代』は冷たいと思ったのか。
ツキナさん、今度は俺にしがみついてきた。
来たこれ。俺の時代。
心の中で、「いぃぃぃぃやっほぉぉぉぉ!」くらいのガッツポーズ。
俺は、別に良いんだけど。
「米なんてなー、食えんのは、盆と正月だけだったんだ」
「そうなんだ」
「そりゃあ苦労したもんだー。今のわけーもんは幸せさなー。今は米も何もかんも、捨てるくらいあるだろ。苦労を知らねーわけーもんばっかだぜよ〜」
「ごめんね、苦労知らなくて」
「ほーだほーだ。もっと苦労せにゃならんぜよ」
「分かった。もっと苦労する」
俺達、生まれたときから結構苦労してきた気がするんだけど。
まだ苦労したいの、『八千代』は?ドMか何か?
あと、そろそろ。
その、謎の方言と作り話も、きつくなってきたんじゃないの?
「そいでさー、春んなったら山に行ってよー…」
「…ねぇ、ツキナ」
「…何ぜよ?」
「それ、そろそろきつくなってない?」
「…」
あ、黙っちゃった。
さては、図星だな?
じゃあ、ちょっと軽く追撃を入れてみよう。
「現実見ようよ、現実。…大根の種蒔き、もう終わっちゃったよ?」
あんなに、苦労して畑を耕したにも関わらず。
誰一人、部活体験どころか。
見学に来る生徒もおらず。
イーニシュフェルト魔導学院園芸部は、今日一日を、畑耕し隊の三人だけで過ごした。
昼頃までは、「来ないな〜」って軽く喋ってたんだけど。
午後が来てからは、なんかヤバい空気を感じて。
仕方がないから、「先に種蒔き始めよっか」と種蒔きを始め。
種蒔いてる間に、一人でも見学する人が来てくれないかなぁ…と。
思っている間に、種蒔き終了。
肥料もしっかり混ぜ込んで、水もやって、大根の植え付け終了。
今体験に来られたとしても、何もやることないよ。
つまり、園芸部は、一人の生徒も来なかったということになるが。
そこのところ、ツキナは分かって、
「…ふぇ」
「あ」
ツキナの目に、ぶわっ、と涙が浮かんだ。
あーあ…。泣かしちゃったよ。
「だって〜!こんなに来ないなんて思わなかったんだもん〜っ!」
ツキナは半泣きでそう叫び。
あろうことか、『八千代』にしがみついた。
おい。『八千代』そこ代われ。
普通逆でしょ?俺じゃないの?何で?
「誰も園芸部に興味ないなんて〜!酷いよ〜!うぇーん!」
ツキナは、泣きじゃくりながら『八千代』にしがみついていた。
ツキナにしがみついてもらえるという、この上ない極上のご褒美を受けているというのに。
朴念仁の『八千代』は。
「…鼻水つけられてる…」
と、この反応。
マジで切実に、そこ代わってって。
「何で皆来てくれないんだ〜っ!うぉぉーん!」
「畑耕すの、大変だからじゃないかな?」
「うわぁぁん!隊員その2がマジレスしてくる〜っ!」
隊員その2、『八千代』は冷たいと思ったのか。
ツキナさん、今度は俺にしがみついてきた。
来たこれ。俺の時代。
心の中で、「いぃぃぃぃやっほぉぉぉぉ!」くらいのガッツポーズ。


