神殺しのクロノスタシスⅣ

――――――…その頃、イーニシュフェルト魔導学院園芸部では。



「…おいどんの生まれ故郷ではなー…。毎年お上が年貢だっつってよー…。米持っていくからよー…」

「…」

「おいどんみてーな貧乏な農民はよー…。ヒエやアワや、イモで食い繋いだもんさー」

「…」

力なく、つまんない作り話を披露するツキナを、俺は優しく見守り。

「それは大変だったね」

まさか本当のことだとでも思ってるのか、多分本当のことだと疑ってない『八千代』は、同情するように頷いていた。

明らかに冗談なんだけど、何で『八千代』は本気にしてるの?