神殺しのクロノスタシスⅣ

予想通りではあったが。

体験授業希望者達の魔法を、順番に見せてもらったところ。

特にこれといって、危険そうな魔法を使う者はいなかった。

大抵が、炎魔法とか氷魔法とか、基礎的な魔法を披露してくれた。

まぁ、そうなりますよね。

だが、皆が皆、基礎魔法だけを見せてくれた訳ではなく。

中には、回復魔法が得意だと言う子もいた。

その子には、敢えて傷ついた魔導人形を相手に、回復魔法を使ってもらった。

なかなか良い魔法を使いますね。

見込みありますよ。

更には、もっと高度な魔法を使う子もいた。

催眠魔法という、なかなかに珍しい魔法である。

一口に言えば、相手を眠らせる魔法だ。

ただ相手を眠らせるだけで、洗脳魔法みたいな、相手の思考に影響を与える魔法ではないので、そこは安心して良い。

これは回復魔法の応用であるが、使う機会もあまりないので、滅多にお目にかかれない。

僕は使えないけど、回復魔法が得意な学院長とか天音さんとか辺りは、使えるんじゃないか?

使ってるところ、見たことないんですけど。

で、こればかりは、魔導人形相手に使うのは無理なので。

僕が、実験台として魔導人形の代わりになってみた。

このまま僕が、催眠魔法で寝込んじゃったら、体験授業がここで終了してしまうので。

ボランティアの生徒に、実験台やってもらおうかとも思ったけど。

まさか、可愛い生徒を実験台になんて、使える訳ないですよねぇ?

だから、僕が代わりに実験台になりました。

結果。

寝込みはしなかったが、物凄く眠くなりました。

才能ありますよ、あなた。

こうして見ると、多種多様な生徒達がいて、実に面白いですね。

さて。

物凄く眠かったところ、ようやく目が覚めてきたので…。

「じゃあ、次の人行きましょうか」