この世界は、真夏でできている。

「なぁ、瑠夏___」
「ぎゃあああああっ!!!」

目の前に顔中血塗れで、目玉以外どこも見受けられない女の人の霊が急に現れ、

彼女は勢いよく僕に飛びついてくる。

倒れかけた軸足を立て直し、僕は彼女の肩を少しだけ、抱いた。

「大丈夫かよお前」

「ねぇ、優介」
「えっ。」

彼女が口にしたのは、「観覧車に乗ろう」だった。