空の表紙 −天上のエクレシア−









「あれ…
ええええーーー!
なんでまた戻って来ちゃうのー?!」


また
噴水と、水銀柱の灯


ルビナが家路に着こうと
鼻歌など唄いながら
公園を出発したのは
だいぶ前の話


そして何度歩いても
何かに化かされたみたいに
公園の側に戻って来てしまうのだ

いつもなら焦って
ギン親方の所に泣き付きに行く所だが
今はサリュ達がいる

何かいわくありげなのは
ルビナにもわかったからだ



「アクアス
もう戻ってきてたかなあ…」


何か足元にぶつかる

− ユピが目をつぶり
ゆらゆら揺れていた


「ありゃりゃ
ちょっとベンチもどろかあ!」

「だめ」


「え?」


「入っちゃだめ。」


サリュがきつく
ルビナの腕を掴んで制止する