よろよろとガラがピッキーノに近付く
「ひ!お前っ!
私をグーで殴った奴!!
丁度いい!…ここで成敗してやる!
…もっとも平伏し私に許しを乞えば…」
ガラはニッコリ笑うと
即座にピッキーノの顔に張り手し
睨んだ
「な…な…な…?!」
ガラは声を挙げる
「フリート!
…アンタはこいつを愚かだが
卑劣では無いと言った
だがこの結果はどうだ…。
馬鹿が極まれば神かい!
……ならば私も神になろう
『アレ』ごと消えて世界を元に戻す
こんな光景を見る前に早く
そうしときゃ良かったんだ…」
「やめてくれガラ!!」
――その言葉に
フリートが叫び
今迄戦っていた事も忘れた様に
考え無しに剣を捨て祭壇上まで追う
しかし祭壇には
目に見えない壁があるらしく
フリートはそこで足止めされた
「ばーさん?!」
ノアールも慌てて祭壇に上るが
足が重い
―今までの様に走れなかった
透明な壁に阻まれながら
ガンガンと拳で叩いた
「何言ってんだよ ばーさん!
今日帰らないと、折角手に入れた
『アジの開き』が賞味期限過ぎちまうぞ?!
あ…後ほら!
星祭で、団子作るとか!!
あれ実は俺、毎年楽しみで…」
―ガラはその手を
透明な壁に押し当て
日々を懐かしむ様に目を閉じた
『―セット完了しました。―』
どこからか響く奇妙な声
ここに居る誰の声でも無い
一同慌てて周りを必死に見回す
しかしガラの体に
赤く発光した格子模様を見て
また激しく壁を叩き出した
フリートが激しく咆哮して
壁に思い切り拳を入れた
何度も、何度も
「…………やめなフリート
壊せないよ
ずっと、色々あったけど
皆と初めて話せて …楽しかった
だから迷いが生まれた
…『掟』を破った私が悪いんだ」
フリートが叫んだ
「……いいんだ!!
その為に私は村を………!!」


