「オデッセイさん?!
どうしたの?!」
慌ててルビナが駆け寄る
見れば
自分の手の中では
普通に消えて行った結晶が
オデッセイの体を覆い
少しづつ角質化して行くのだ
「あわわわわ!!」
ルビナは慌てて
それを剥がそうとするが
表面をガリガリ爪が滑るだけだ
かたやノアールにこびりついた結晶は
すぐに青い炎となり
本に吸い込まれて行く
「なっ!何でオデッセイさんのは
消えないの?!」
「…いんだよ。」
「え?!」
「…多分俺は無理なのかもしんない…。」
結晶が
オデッセイの口元まで
覆い尽くそうとしている
「オデッセイさん!!
やだ…この唄のせい?!
うあ…歌…
唄やめてあげてーーーっ!!」
「兄貴!」
黙って
角質化していく体を受け止めるジークに
アクアスは叫ぶ
ジークは空に目を向けたまま
静かに呟く
「…殺せよ。」
「え…?」
「…もし、力を還すのに失敗して、
俺が暴走でもしちまったら…
お前が殺せよ」
「…なんだそれ…」
アクアスがワナワナと首を振る
青空の下の静かな狂瀾
――隙が出来た。
フリートは
押さえ付けられて居た首を起こすと
静かに囁く
『起きろ。― 魔王』
……ドクン…。
ピッキーノの目と『本』が開いた


