だからこそ思わず言葉が止まらなくなってしまったのだ。
恐る恐る千紘を見てみると、認めるでもなく、怒るでもなく、ただ無表情でそこに座って固まっていた。
「本気で言ってんの?」
「そ、そうだけど……」
「なら、俺も言わせてもらうけど、お前の職場に若い男いるよな、それも結乃に気があるやつ」
職場に若い男……?もしかして同僚のことかな?
ただの同僚として接してるし、私に気がある風には見えない。
そもそも、彼には彼女がいるし――。
というか、私の言ったことに対しての返事をもらっていない。
「彼はただの同僚だし!――私のことは今関係ないでしょ!否定しないってことは、あの子と仲良くしたいってことだよね」
「……ふーん、俺のことやっぱり疑うんだ?」
私だって疑いたくない。さっきの甘い雰囲気で千紘の気持ちはわかっているつもりだ。



