それが千紘にとってのストッパーだったのだろうけれど、手を出してくれないというせいもあって、私が不安になってしまったのも事実だ。
「これからは抑えねぇから、お前をくわせろ」
いざ本番をするとなると心の準備が必要だ。
自分で納得したプレーができていないからとプロポーズをしなかったくせに――。
やっとプロポーズをしたからといって展開がいきなりすぎるし、千紘はとても自分勝手だ。
だけど心の準備が必要とはいえ、その提案を喜んでしまっている私もいた。
今まで我慢していたツケが回ってきているのだろう。
千紘の愛を受け止めきれるか不安だ。
だけど、その極甘な溺愛が私にだけ向けられると知って嬉しくないはずがない。
「お、お手柔らかにお願いします……」
「ふっ……善処はする」
拒否しなかった私に、千紘は嬉しそうにしながら手を差し出した。
私は拒まずにその手を素直に取る。



