そう、ワクワクしながら練習風景を見ていると、いつの間にか試合30分前でスタメン発表の時間になった。
ホーム球場だから、映像が流れて選手ひとりひとりの紹介がカッコ良く撮られている。
そして、その後のBGMに合わせて打席順に選手の背番号と名前がアナウンスされる。
今日もいつもと同じかな?と思っていた私は、そのアナウンスを聞いてとても驚いた。
「1番――ライト、西山。背番号36」
場内に響いたその名前に、おおっ……!と歓声が広がる。
「は?」
私は思わずぽかんとしてしまった。
だって、今一軍に登録されている西山と言う名前はひとりしかいなかったから――。
そして、その背番号も今私が着ているユニフォームに大きく書かれているものだ。
「千紘がスタメン……?」
2番、3番――と次々発表されていくけれど、私の頭の中はそれどころではなかった。
千紘の苗字は、間違えなく“西山”だ。そして、背番号は36。
「ほんとに?」



