俺はそう言って、結乃の手を引きながら来た道を戻り家に帰った。


その帰り道に繋がれた手は、お互いに熱くてドキドキが伝わってしまう。

だけど、家に着くまでその手が離されることはなかった。


そして翌日、スタメン出場して最後まで試合に出続けた俺は、最後の打席でレフトにホームランを放ち、1点差で勝ち越す。


結果、それが決勝点になり無事に春の甲子園を優勝に収めた。


その後も、本命である夏の甲子園に向けて部活が終わった後も夜遅くまで自主練をし、今まで以上に力をつける。


マネージャーであり、彼女にもなった結乃は文句ひとつ言うことなく、俺の自主練に付き合ってくれた。

そして、上手くいかない時には背中も押してくれた。


――一生離してやんねぇとか言ったけれど、離れられないのは俺の方だ。


ここまで一緒に過ごしてきて、結乃がいない生活はもう考えられない。

幼なじみとして16年、結乃の彼氏として8年……。