そう思っていたけれど結乃の顔を見た俺は、言われる前に返事の内容を悟る。


――真っ赤な顔をして俺を見て固まっていたから。



「本気?罰ゲームとかじゃないよね!?」


「っんなわけねぇだろ」


「……っ」


「で、どうする?」



余裕のない結乃を見ていたら、俺の緊張が溶けて余裕が出てきた。

表情で考えていることが伝わってくるけれど、ちゃんと言葉で聞きたい。

――結乃の気持ちを本人の口からちゃんと聞きたい。



「しょ、しょうがないんだから!ホント、千紘は私がいないとダメなんだもんね!」


「ふっ……、そうだな」


「し、しかたないから付き合ってあげる」



恥ずかしを隠すためなのだろうけれど、どこまでも強気な言葉に思わず笑ってしまいそうになる。


真っ赤な顔で言われても逆効果なのに、結乃はそのことに気づいていない。


そのツンデレ具合がネコみたいだ。

俺は、そんな結乃に惚れたのだけれど……。



「一生離してやんねぇから、覚悟しとけよ」