「もしかして、怪我してるとか?――でもそれならすぐ気づくだろうし……」
「あ、のさ……」
「はいっ!」
ひとりで色々考え込んでいる結乃をとりあえず止めた。
切り出したからには、ちゃんと伝えよう。
今を逃したらまたタイミングがなくなるだろうし、俺が行動しないせいで他の男にとられるのも嫌だ。
だから俺は、一息で当たり前のような雰囲気を出しながら伝えた。
「結乃は俺を支えてくれるんだろ?だったら、この先ずっと隣にいるために俺と付き合ってほしい……そしたら、明日の試合勝てるような気がする――」
取ってつけたように試合を理由に入れたけど、この言葉の意味……伝わってるよな?
恥ずかしくてなかなか結乃のことが見れない。
だけど、その結乃からの返事がいつまでも来なくて、沈黙が不安になった俺は少しだけ視線を上げた。
やっぱり、幼なじみとしてしか思われていないから付き合うのは無理とか……?



