その前に伝えなければいけない。
さすがに家の前で告白をして、家族に見られでもしたら恥ずかしすぎるので近くの公園に歩いて向かった。
「どうしたの?もしかして、柄にもなく緊張してる?私がほぐしてあげようか?」
からかうように笑いながら、結乃は俺の後をついて歩いた。
普段なら馬鹿なこと言うなと言い返すところだけれど、今の俺にそんな余裕はない。
「えっ?なに、ほんとに緊張してるの?」
高校初の試合の時ですら緊張していなかったのに、どうして今?と思っているのだろう。
硬い表情を崩さない俺に、結乃はますます慌てていた。
どうやって緊張を解こうとか、あの千紘が緊張?とひたすらブツブツ言っている。
そんな結乃を引っ張り公園に着くと、俺は誰もいないことを確認してから、後ろを振り向いて結乃を正面から見つめた。
「えっ?なに?どうしたの?」
「……」
いきなり振り向いて何も言わない俺に、結乃は何があったんだと色々な妄想を巡らせている。



