極甘結婚はおあずけですか?




「ま、間に合わせるの!そもそも、私がいなくて困るのは千紘だからね。千紘は私がいないとダメなんだから……、私がマネージャーになってサポートするんだからっ」



結乃は顔を真っ赤にしてそう言ったあと、勉強するからと帰っていった。


取り残された俺は、嬉しさと困惑でしばらく固まってしまう。

だって、余裕で入れるところならまだしも、勉強してまで同じ学校に来てくれる理由が、俺を支えるためなんて嬉しすぎる。


結乃がどんな想いでそう言ったのかは分からないけれど、俺はもう既に結乃しか目に入らなくなるくらい好きになっていた。


思春期で異性といるのが恥ずかしくなるような中学生の頃はもちろん、無事に合格が決まり、入学した高校1年生の時も俺と結乃の関係は変わらない。


それは、まわりから“お前ら夫婦みたいだな”と言われるくらいで、傍から見たらなぜまだ付き合っていないんだと疑問に思う程だ。


ものすごく仲の良い幼なじみ――。