爽やかな風が気持ち良い4月。
外はまだ明るくお出かけ日和の今日、私の部屋はカーテンを閉めきって暗くしていた。



「ちょっと、千紘!ビクってしないで」


「ビクってしてるのは結乃の方だろ」



テレビからは大音量で悲鳴が聞こえてくる中、私は今、千紘の足の間にすっぽりと収まりながらホラー映画を見ていた。


遠慮なく背もたれにしているため、千紘が動くとその振動は全てダイレクトに伝わってくる。

だからこそ、映画の音よりもその振動にびっくりしていた。


より恐怖感が増してくる気がする。


なぜホラー映画なのかというと、千紘が見たいと言って持ってきたからだ。

せっかくのオフなのに、こんな休日でいいのか……。



「ねぇ、買い物行ったりとか出かけなくていいの?」


「は?何言ってんだ?俺の休日なんだから結乃と過ごすに決まってんだろ」


「……っ」



今のは不意打ちだ。

千紘はこうしていつも私をドキドキさせてくる。