タイセイに言われてコノミとミチオは全員を呼び始めた。


ぞろぞろと被害者たちが集まってくる。


みんな自分に起こったことをすべて覚えているようで、不安や不満に満ちた表情をしている。


このまますぐに外へ出たら暴動が起こってしまうかもしれなかった。


カズトモがここにいればそれでも構わなかったが、今回はそういうわけにもいかない。


「出口ならもう調べてある」


タイセイがみんなへ向けて声をかけた。


室内のざわめきが一瞬にして静かになる。


みんなの視線がタイセイに集まってきて、私は少し身を離した。


「だけど、外に出ても少しの間静かにしておいてほしいんだ」


「なんだと?」


タイセイの言葉に反応したのは、暴れていたあの男性だった。


眉間に深いシワを寄せて睨みつけてくる。


記憶が残っているからタイセイが敵ではないとわかっているはずだけれど、暴れないと腹の虫が収まらないみたいだ。