その時、LINEの着信音が響いた。
KRさんは、スタスタと自分の席に歩いて行って、パソコンの横に置いてあったスマホを見て、渋い顔をした。
何かあったの??
それから、KRさんは慌ただしくパソコンを閉じた。
え?もう帰るの?



「あ、あの……」

「なに?」

「え?あ、あぁ、楽しみに読ませていただきます。
更新、頑張って下さいね。」

「……ありがとう。
じゃあね。」

「は、はい。」



KRさんは、店を出て行った。



(えっと……)



温くなったコーヒーを喉に流し込む。
落ち着こう。
まずは、落ち着かなきゃね。



とりあえず、今日はあの人に会えた。
これはすごく幸運なことだよね。



(うん、それは間違いない。)



それだけじゃない。
今日は話せたし、その上、自作の小説も教えてもらえたし、小説にコメントすることでこの先も繋がれるんだよ!



そう思ったら、なんだかワクワクしてきた。



スマホを見てみる。
小説投稿サイトだ。
だったら、本名じゃない名前にすれば良かったな。
変えようかとも思ったけど、私だってわからなくなったら困るからやめておいた。



小説は、連載中で現在358ページ。
長い!
私に読めるかな?
ちょっと不安になりながら、私は早速ページをめくった。