美しき微笑みのあの人に恋をした。

「確かに熱は無いみたいだけど、なんか…わぁ!」



KRさんは顔を離し、びっくりしたような顔をした。
わかった、わかった。
また私の顔が茹でダコみたいになってるんだよね。
でも、その原因を作ったのはあなたですから~!



「君、どこか悪いの?」

「え?い、いえ。特にはどこも。」

「でも、顔が……」

KRさん、今度は笑わない。
もしかして、本気の病気だと思った?



「あ、あの…わ、私、アレルギーなんです。
そ、その、イケメンアレルギーです。」

「えっ!」

KRさんは、私をじっとみつめて……



あれ?焦って突拍子もないこと、言っちゃった?
そ、そうよね。
イケメンアレルギーだなんて、そんなの誰も信じないよね。
じゃあ、どう言えば?



「……ごめんね。」

KRさんはそう言って、マスクを付け、眼鏡をかけた。



え?イケメンアレルギーを信じてくれたの?



でも、不思議。
眼鏡とマスクで、なんか顔の火照りがおさまった気がするよ。
うん、確かにこの方が落ち着く。



「あ、す、すみません。」

「いや、僕の方こそ、笑ったりしてごめんね。」

きゃー、素直っていうか、この人、良い人だね。
イケメンアレルギーのこと、本気で信じたのかな?