美しき微笑みのあの人に恋をした。





「ふふふ……」

朝から不気味な笑いが止まらない。
昨夜のことですっかり舞い上がってる。



別に、一目惚れの彼と付き合うことになったわけでもないのに、なんて浮かれぶり?
ちょっと恥ずかしいけど、もしかしたら、もう二度と会えないかも知れなかった人と再会出来て、しかも、話せて、繋がりが出来たんだから、嬉しいに決まってる。



「ふふふふ……」



今夜もまた小説を読んで感想を書いて…
苦手なはずの作業も苦では無くなってきた。







『なるほどね、そんな風に感じられたんだね。
意外だけど、嬉しいよ。』

『はい、ちょっと感動しました。』



瞬く間に約一ヶ月が過ぎた。
残念ながら、私とKRさんの関係性には、何の進展もないけれど、私の中には変化があった。
まず、小説を読むことが今までより楽になった。
いや、逆に、寝る前には続きを読みたくてたまらない気持ちになる。
それに、まだ、きっと読むのは早くはないけれど、それでも前に比べたら早くなった。
言葉の意味や漢字もけっこう覚えた。
あ、だからこそ、読むのが早くなったってことかな?
感想も前より自然に思ったことが書けるようになった。



ストーリーは、主人公が慣れない仕事に苦労しながらも頑張って、頑張りすぎてちょっと精神的にやられていく様子になっていた。