「あんた、私が仕事週だって分かってる?」
「あぁ…そうだったな。じゃあ、有休使っちゃえよ」
本当に勝手な事を言ってくれる。
「あんたねぇ…」
「思い立ったら吉日って言うだろ?今日動かないと後悔するかもしれないぜ?」
「急がば回れとも言うけどね」
「あぁ~、はいはい」
口では敵わないと思ったのだろう、広一はばつが悪そうにそっぽを向いた。
「仕事の後じゃダメなの?」
「あぁ…まぁ、じゃあ、それでいいや」
まだ納得のいっていないようだが、取り敢えず、納得してくれたようだ。
「じゃあ、仕事後……五時待ち合わせでいい?」
「場所は俺の職場な」
「え?」
「後で探索するなら、俺が違和感を感じる場所を先に行った方が早いからさ。丁度、職場から歩くルートなんだよ」
「なるほど…じゃあ、そうしましょう」
時間と場所を決め、私達は別れた。
違和感と言っても、各々の勝手な言い分だ、仕事を休むわけにはいかない。