一ヶ月前事故にあい、記憶をなくしている間に家がなくなる。




普通なら、こんなに落ち着いていられない。




でもアタシはそういうのに慣れているから。




アタシはずっと一人だったから。




「ねぇ‥家が見つかるまで、いていい？」




唯一‥


アタシの甘えられる人は新だけ。




「もちろん。遠慮すんなよ」




こうしていつもアタシに笑顔でいてくれる。




「あー‥裕紀君に会いたいなぁ」




でもやっぱり‥


アタシが恋しているのは裕紀君。




杏奈も応援してくれてる。




学校は退学になったけど‥


そんなの関係ないよね？




裕紀君とは最近やっと普通に話せる友達になれた。




《早く告白しなよー》




とか杏奈に冷やかされたりするけど‥




全っ然まだそんな感じじゃない。




日々の何気ない会話で満足なんだ。




その会話さえ、まだぎこちない感じ‥




だから裕紀君は最近杏奈に話しかける方が多い。




杏奈が羨ましいよ‥




裕紀君に話しかけてもらえて。




でも‥



そんなアタシも最近は裕紀君とメールをしている。




‥そうだ‥




「アタシ‥携帯どこだっけ‥？」