アタシの知らないところで、何かが大きく変わっていた。




「事故にあって‥」




また‥



新が震えている‥




「‥新‥?」




事故にあったアタシ‥


なんで覚えてないの‥?




「入院してたんだよ」




‥え?




アタシが‥入院?




「アタシ‥気付いたら交差点にいたんだ‥」




急に怖くなった。


新が‥


何かを隠している気がして‥




「空が入院している間に‥引っ越したみたい。」




なに‥それ。




「アタシ‥入院なんて覚えてないよ!」




さっきまで杏奈と教室で楽しく話してたと思ってた。




事故?


入院?


引っ越し?




全く知らない事を急に突き付けられた感じだった。




混乱するアタシを、新はまた抱きしめた。



さっきとは違い‥優しく頭を撫でながら。




「事故の衝撃で‥記憶をなくしているんだよ」




嘘‥でしょ?




信じられるはずがない。




「アタシ‥いつ事故したの?」




その質問に、アタシと目を合わせる事なく新は答えた。




「一ヶ月前だよ。」




じゃあアタシは‥




一ヶ月間も意識がなかったと言う事だ。