「バカ新!化粧濃くて悪かったねー!」




俺の反応に少し戸惑いながらも、いつもと変わらない空。




‥どうなってるんだ。




俺は空を抱きしめた。




寂しくて寂しくて死んでいった空。


俺は悔やんでいた。


だから‥


力いっぱい空を抱きしめた。




生きているはずのない空を‥




空の戸惑った顔。

一ヶ月前、生きていた時と全く変わらない顔。




空は家に帰る途中だと言う。

引っ越した誰もいない家に‥




どうして死んだはずの彼女がいるのか‥




徐々に冷静を取り戻した俺は考えた。




「空‥生きてたのか‥?」




本当は聞きたくなかった。




けれど‥



聞くしかない。




俺は間違いなく亡くなった空を見た。




だから聞くしかないんだ。




いないはずの人間が目の前にいるのだから。