すきです、先輩


ある日、先輩に恋しました。

春、入学式、高校1年生になる白銀彩葉(しろがねいろは)はワクワクを胸に教室へ向かっていた。
「いろは!!!!おはよ〜!!ねぇ、クラスはうちと同じ?!」
彩葉の友達のなつめは元気に彩葉に話しかける。

「なつめ!!おはよ!クラス同じだったよ!!うれしい!これからもよろしくね!」

2人で教室へ向かう。と、横から走ってきた男子生徒に彩葉がぶつかってしまった。

「うわ!!」
彩葉が後ろへ倒れそうになったとその時。

「大丈夫....?!」
倒れそうになった彩葉の肩を手で支えるようにして優しそうで甘い声の女の人が言った。

(......ドキッ)(んん??!なんだこの胸の音)
彩葉は少しの間その女の人の手に肩を預けた状態で見惚れていたのだ。

「...?大丈夫?えっと、、いろは?ちゃん?」
彩葉の名前が書いてある私物を目にして、今自分の顔をじっと見ている女の子の名前が彩葉だと思った女の人が不思議そうに見つめ返す。

「はっ!!!、すいません!大丈夫です。ありがとうございます!!!」
それに気づいて顔を赤らめながらも慌てて体制を取り戻した彩葉はカタコトながらもお礼を言う。

「よかった、気をつけてね!!いろはちゃん」
優しそうな微笑みで手を振り2年生の教室へ入っていく女の人を見送りながら彩葉はぼーーっとしている。

「おーい??いろは?どしたの?ケガでもした?」
その光景を鈍感ななつめが不思議そうに問いかける。

「ん....?、いろは、顔、赤くね??」

「ふぇ?!?!いや、そんなことはない!!....と思う。大丈夫大丈夫!あははは...」

(あの人、先輩だったんだ。)
(ん!?!まって、てことは私、、先輩の、しかも女の人にドキってしたの?!!?)

ここから、彩葉の甘くて苦い恋が始まる