その瞳に囚われて



苦手な数学を解き始めて、開始5分。

突然現れた応用問題に頭をぐるぐると悩ませる。


「倉沢さん、わからない問題あったの?」

「うん。ここの問題が分からなくて」



分からない問題を指さすと、順を追って丁寧に説明してくれる宮西くん。

さすが、成績トップ保持者の宮西くん。

先生並みにわかりやすい…!



「宮西くん、ありがとう…!」




応用問題、解けるだけでもすごいのに教えられるのって、本当に尊敬する。



「どういたしまして。俺でよければいつでも聞いてね」

「うん!宮西くんがいると心強いな」

「…それは…、嬉しいな」




言葉通り、嬉しそうに笑った宮西くん。

私も笑顔を返す…と、凄まじい視線を目の前から感じて顔を上げる。



「花澄ちゃん、抜け出して俺の家来る?俺が勉強教えるから、ね?」

「そ…れは、遠慮しておくね」




紫杏くんの家で、勉強…。

集中できなくなっちゃうのが目に見えて浮かぶ。

好きな人の家で、好きな人と2人きりなのは私がもたない。