「遠慮しなくていいよ。っていうか花澄、一人で理数系大丈夫なの?」

「うっ……なんとかするから、大丈夫だよ」



文系はできても理数系は壊滅的な私に、心配したように声をかけてくれる和葉ちゃん。

正直に言うと、全然大丈夫ではなかったり…。




「でもなぁ、花澄赤点取りそうだからなぁ…」



今のはグサッときたよ、和葉ちゃん…。

でも、赤点取りそうと言うのも間違えではない。

全くもって。



「……」

「……」



何か考えている様子の和葉ちゃんだったけれど、視線をある一点に向けて目を輝かせた。

それはもう、全ての解決策を見つけたとでも言うように明るいオーラを放っている。



「花澄、勉強会は絶対来ること。わかった?」

「うん…、わかった」



和葉ちゃんのすごい圧に咄嗟に返事が出る。



「勉強会は、火曜、木曜の放課後と土曜日の3日行うからね。詳しい時間はメールするから」

「3日も…?」

「そう、3日も!花澄全部これそう?」

「空いてる、けど……」


3日間…、もちろん予定は空いてるけど、邪魔しちゃうのは申し訳ないな。



「じゃあ決まりだね。
ああ、花澄。申し訳ないとか考えなくていいからね。都合つかなかったら教えてしてね」



ニコニコ笑顔で告げる和葉ちゃん。

断るなんて選択肢はなかったみたいだ。