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「和葉ちゃん、どうしよう…」

「え、花澄?どうした?」

「恋しちゃったかもしれない…」




週末明けの月曜日の朝。

たった一言、それだけ話しただけなのに。

和葉ちゃんは全て悟ったように私を見た。




「あの鈍感な花澄が…!やっと、やっと自覚したんだね…!私は嬉しいよ」



…どうやら、感激している様子。

我が子の成長を見た親のような顔をしている。

それに、やっとって…?




「私はね。花澄があのイケメンに恋してることが、カフェで話してた時からわかってたんだからね」

「…えっ、そんなに前から⁉︎」

「そうだよー。だって、花澄わかりやすいんだもん」



ニヤニヤと笑う和葉ちゃん。

嘘…。
私、そんな前から紫杏くんのことが好きだったんだ。

自覚がないだけで。



「今日も、彼がお迎え来るの?」

「うん…、たぶん…」



そう。

紫杏くんが、先週毎日のようにお迎えに来てくれるから。

和葉ちゃんからはもう、放課後=紫杏くんが迎えに来ると認識されている。