俺が原因だと、当時の自分はわからずなんとかしてでも笑って過ごせる環境にしたかった。

それだけなのに。



「お父さん、みてみて。テストで100点取ってきたよ!」




テスト用紙をみせると、ビリビリと切り裂いていくお父さん。



「やだ…、お父さん、やめて…!」



初めて取った100点だったのに。

褒めてほしかった、だけなのに。



「俺はお前のお父さんじゃない‼︎」



それだけ言って、俺を部屋から追い出すお父さん。

友達はみんな、100点取ったら褒められてるのに。

なんで、俺だけ褒められないの…?

涙が目に溜まって、泣き出してしまう俺。

そんな俺の泣き声を聞きつけてやってくるのは、いつもお母さんだった。



「お母さん…、痛いよ、やめて…っ」

「紫杏、うるさい!泣き止みなさい。あんたの声聞くだけでイライラするわ…」



頬を、思いっきり叩かれる。

そっか、お母さんもお父さんも俺のことが嫌いなんだ…って自覚したのは、多分小学校三年生くらいの頃。