来ちゃダメって言われたけど、どうしても気になってしまってーー。
学校終わり、家に帰って大人びた服装をした後、あの道へ向かう。
この前は制服だったけれど、今回は私服だしきっと絡まれたりもしないはず。
それに、顔さえ見られなければきっとバレない。
あそこに行くのはもうこれ限りにしよう。
そう思って、あの細い道の目の前で止まる。
…覗くだけ。
そう自分に言い聞かせて、よく目を凝らして覗くと。
「…え…?」
目を疑った。
「…っぐ……、げほ、やめてくださ……っ」
「やめないに決まってるでしょ?外部の人間に入られちゃ困るんだよね、ここ」
目の前では、黒髪の人が殴り合いの喧嘩をしている。
…けれど、黒髪の人は無傷だ。
相手の男の人が、ボロボロに打ち負かされている。
それも、昨日絡んできたあの男の人のような…?
目の前の光景に釘刺しにされてると、力尽きたように相手の人が倒れる。
「…はぁ、だる。ここに出入りしていいのは裏の人間だけって知らないのかな、このオッサン」
「…裏の人間って……」
ーーハッとした。
ここは大通りとはいえ、人通りが全くというほどない道。
この静かな空間で声を漏らしたら、確実にバレてしまうんじゃ…。
「あれ?君、昨日の子だよね」
「…あ……や…」
「今日はやけに大人びた服着てるけど、そーゆーこと目当てだったの?」
「……っ」
酷く冷徹な瞳。
この間とは違う、鋭い空気に心も体も痛む。
