制服姿に、いつもより凝った髪型をしている花澄ちゃん。

正直、私服も見たかったけれど、制服が一番しっくりくるかもしれない。


普段は髪の毛を下ろしてることが多い花澄ちゃんのポニーテル、新鮮でいいな。

ぴょこぴょこ揺れる髪の毛が男心をくすぐる。



「ねぇ、花澄ちゃん」

「うん?」

「あの喫茶店か俺の家、どっち行きたい?」




ぶらぶらと歩いてると、信号待ちに引っかかる。

溜まり場と家がある方向に向かって歩いている。



「…紫杏くんの、いえ…?」




フリーズして、固まる花澄ちゃん。

家という言葉がそんなにもパワーワードだったのか。

固まったと思ったら、あたふたしだす。

花澄ちゃんって、ほんとに見てて飽きない。




「喫茶店にしとく?」

「ううん、紫杏くんの家が、いい…」




俯き加減で、途切れ途切れ言葉を紡ぐ花澄ちゃん。

その言葉に、思わず真顔になる。

…どうやら俺の理性が、危ういみたい。