その瞳に囚われて

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それからというものの、頭の中はあの男の人で埋め尽くされてる。

綺麗な赤色の瞳に、少し長い黒髪。

抜群に整ったルックス。

優しい口調と裏腹に圧のある雰囲気。

…たった一度しか会ったことがないのに。

その全てに、魅了されてる気がする。




「花澄、そういえば、遊んだ後の帰り道大丈夫だった?」

「うん?大丈夫だったけど、どうしたの?」



ボーッと黒髪の人のことを考えてると、不意に話しかけられる。



「ううん、大丈夫ならよかったんだけど。
…なんか、大通りの近くのある道を辿ると、裏社会に出入りしてる人の溜まり場?に着いちゃうみたいで」

「裏、社会…」

「…私も詳しくは知らないんだけど、一応気をつけてね」

「そうなんだ…、和葉ちゃんありがとう」

「うん。とはいっても、都市伝説の可能性大みたいだし、そんな場所実在しないと思うけど」



一応ね、と付け加える和葉ちゃん。

大通りの近くにある道を辿ると、裏社会に住む人たちの溜まり場に着くって、まさかあの細い道じゃないよね。

…一本道だったし、さすがに繋がってないと思うけど。

仮に繋がってたとしたら、あの黒髪の人は何者なんだろう?

知りたいって気持ちが身体中に駆け巡る。