「花澄ちゃん、おはよう」
「…おはよう紫杏くん」
改めて見て思う。
紫杏くんらしい大人びたオシャレな服装に、朝でも変わらず整いすぎている顔。
今からこの人の隣を歩くのだと思うと、緊張してしまう。
「…髪型可愛いね。似合ってる」
「ありがとうございます…」
鼓動が早い。
今、急加速した気がする。
…と、紫杏くんが小さく笑う気配がする。
「制服なんだ?」
「……やっぱり、私服のほうが良かった?」
紫杏くんは私服で、私は制服。
…やっぱり不自然、かな。
「全然。制服でいいよ」
…再度、私は心に誓う。
今度絶対、服を買いに行こうと。