そして、来てしまった休日。
朝食を摂って、歯磨きも洗顔もして。
パジャマから着替えようと思ってクローゼットを開けてから、数秒フリーズする。
今日は、紫杏くんと会う日。
…なのに、これはアウトだ。
可愛い服が、全然ない…。
あっても、一、二着で、それも紫杏くん目の前で着たことがあるもの。
今まで、制服に頼ってきてしまったのが悪かった。
服どうしよう…。
ーー考えて、考えた末、制服にすることにした私。
今度、可愛くて…紫杏くんの隣に立ってもいいような、大人っぽい服を買おう。
絶対、そうしよう…!
服装の代わり、髪型は、ポニーテールに三つ編みをアレンジしたもので、少し凝ってみた。
…きっと、変じゃないはず。
「…あら、花澄。出かけるの?」
「うん、ちょっと…友達と」
「そう。遅くなるなら、連絡ちょうだいね」
リビングに行くと、お母さんにまじまじとみられる。
「制服で出かけるの?」
痛いところを突かれる。