それを見届けて、帰る準備をする。

…と、携帯に通知が届いてるのを見て、画面を開く。

誰からだと言うと…。


【花澄ちゃん大丈夫?何かあったら言ってね?裏門で待ってる】



紫杏くんからだ…‼︎

しかも、15分前に来ているメッセージ。

どうしよう、すっごい待たせちゃってるよね…。



「宮谷くんお先に失礼します…!!」

「うん、お疲れ様。また明日」



サッと風のような速さでその場から立ち去り、裏門へ向かう。

15分以上は確実に待たせちゃってるって、どうしよう…!

…心配、させちゃってるかな。


とは思っても、悠長にメールを打つ暇があるなら急いだ方が良いので、走る。

走るのが遅いなりに、全力ダッシュ…をすること数分。



「…っ、紫杏くん、お待たせ、しました…‼︎」

「そんな走らなくて大丈夫だよ。
でも、どうして遅くなっちゃったか教えてほしいな。心配したんだから」



いつも通り、優しい表情で私をみて、言葉を促す。

息を整えた後、かくかくしかじかと、雑用していたことを話した。