反対方向で、ここからは一人。


和葉ちゃんの家は学校と近いから、駅へ行くこともないんだよね。


一人になると思い出される下校時のこと。

…ここ数日はずっと、紫杏くんと一緒に帰ってたから、なんか寂しいな。

紫杏くんに会いたいなって、無性に思う。

…前まではこんなこと思わなかったのに。

カフェから駅までの短い距離を歩いていると、後ろから視線感じて思わず振り向く。

けれど、学生や会社員が慌ただしく通っているだけ。

気のせいだったのかな。

特に気に留めず、駅へ向かった。