…知らず知らずのうちに、裏社会を知ってしまったことが、ものすごい重荷になってたのかも。

全部相談することはできないけれど、悩むことがあったら話してみようかな。



「てか、ここのケーキ美味しすぎない?
そりゃ人気なわけだよ」




ガラッと声色を変えて、ケーキを食べ進める和葉ちゃん。

和葉ちゃんの言う通り、すっごく美味しくて、食べてるで幸せ…!

頬がこぼれちゃいそう。



「花澄。美味しそうに食べてるところ悪いけど、頬にクリームついてるよ」

「えっ!?どこ?」

「ここ」



自分の左頬をトントンとつついて、教えてくれる和葉ちゃん。

急いで、ティッシュでクリームを拭き取る。

恥ずかしい…。



「ん〜、じゃあ混んできたし帰りますか」




ケーキを食べ終わったところで、お会計を済ませて外へ出る私たち。




「久しぶりにゆっくりお話できて、楽しかった。和葉ちゃん、ありがとう」



感謝の意を込めて、ニコッと笑うと。



「こちらこそ。また寄り道しようね」



和葉ちゃんも笑い返してくれた。

お互いに手を振り合って、私は駅へ、和葉ちゃんはまっすぐ道を辿っていく。