その瞳に囚われて


ーー授業が終わって、ホームルームも終わって、放課後。



「花澄、放課後って結構時間あったりする?」



昇降口に向かう途中、和葉ちゃんが口を開く。


「あるけど、どうしたの?」

「せっかくだしカフェでゆっくり話したいなーって。いい?」

「もちろん!カフェって、駅前のところ?」

「そうそう、最近できたばっかのオシャレなカフェ」



トントン拍子で会話をしていると、ピコンと私の携帯が鳴る。

珍しいなって思いながら、携帯を開くと。

紫杏くんからメールが届いてる。

それも、何回か送っていたらしくて、3件入っている。

内容は、“花澄ちゃんの学校の近くにいるから一緒に帰っていい?”とのこと。

一緒に帰ってって…ええっ!?

突然のお誘いに、胸が高鳴る。

…けれど、和葉ちゃんとの約束があるし、断らなきゃだよね。

断りの文面を入れていると。



「花澄、あの門にいるのイケメンの人じゃない?」

「……へ?」