その瞳に囚われて


急速にではなく、徐々にじわじわと熱を帯びていく。

少し左を向くと、綺麗な赤い瞳が空を映している。



「…あの」

「ん?」

「答えたくなかったら答えなくてもいいんですけど、どうして目が赤色なんですか?」


人工味のないとても自然な赤色の瞳。

カラコンとかじゃなくて、生まれつきのものなのかな。



「…え?」



聞いちゃいけないことだったのかな。

唖然として私を見る黒髪の人。



「ごめんなさい、聞いちゃダメだった…?」

「…いや、別にいいんだけど」



途端、クシャッと顔を歪ませて笑う黒髪の人。

目は笑っていない。



「目の色のこと、ね。これ生まれつきなんだ。目の色素がすごく薄いみたいで」

「そうなんだ…!
すっごく綺麗な色だったから気になっちゃって」



他の人にはない、自分だけが持ってる色って、なんだか憧れちゃう。

濁りもない赤色に、綺麗だなって見惚れてしまう。



ーーふと、赤い瞳が私を捉える。

一切の陰りもない純粋な赤色に、街灯に照らされた黒髪が絶妙にマッチしている。

数秒間崩れた笑みを浮かべたあと、ハッと目を見開いた彼。



「綺麗な色、ね…。初めて言われたよ、そんなこと」