その瞳に囚われて

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次の日。

学校に行くと、案の定目を爛々に輝かせた和葉ちゃんが待ち構えていた。



「花澄!おはよう!
昨日のイケメンと付き合ってるの?
付き合ってるんだよね!ね?」



挨拶を返す間もなく、手をガシッと握って聞いてくる和葉ちゃん。

四方八方から飛んでくる視線が、とても痛い。

苦笑いを浮かべると、それに気づいた和葉ちゃんがパッと手を離す。



「いきなりごめん!放課後、話聞かせてね」



ニヤリと不敵に笑った和葉ちゃん。

紫杏くんのこと、なんて話そう…。

必死に脳を働かせる。

裏社会のことは、もちろん秘密。

でも、それを除いて話すのは難しいから…。

紫杏くんと私の関係性について言いようがない。

そう思うと、自然と肩が落ちる。

…友達でもなければ、同級生でも同じ学校の生徒でも、なんでもない。

知り合いよりもきっと、紫杏くんのことを知らない。

…なんだかそれって、嫌だな。