目を合わせれば、逸らすどころか瞬きもせずに見てくる紫杏くん。

私を見たって面白くないのに。


というか、何より恥ずかしい。


「…そ、そういえばっ!
なんで和葉ちゃんに、“友達以上の特別な関係”って言ったの?誤解されちゃうよ…」



その場の雰囲気を変えようと、疑問に思っていたことを口に出す。



「誤解も何も、間違えじゃないでしょ。
だって、知り合いとも友達とも言い難い“特別”な関係だし?」

「でも、友達以上じゃないよね?」




私の言葉に、不服そうに唇を尖らせる。

その動作だけで色気が…すごい。

謎にドキドキしちゃう。



「…友達未満の特別な関係っておかしいし、友達以上でよくない?」

「……でも、勘違いされちゃうかも…」

「いいじゃん。そしたら恋人って思わせちゃえば」



こ……、恋人!?



「ああ、もしかして誤解されるのいや?」

「いや…じゃない…」



いやって言った方がいいんだろうけれど、気持ちに素直に言葉が出てしまう。

そんな私をみて、紫杏くんが笑った気がした。