「…君、大丈夫?太ももとか触られてなかった?」
「…っ、あ…大丈夫、です。ありがとうございます…」
「そう?ならいいんだけど」
黒色の髪の毛から覗く赤色の瞳。
日本人ではありえない瞳の色に、驚いてしまう。
「固まってどうしたの?まだ怖い?」
「い、いえ…もう大丈夫です…ただ」
「ただ?」
瞳の色が気になってーー、なんて。
聞いてもいいことなのかな?
「フフッ、君って顔に出ちゃうタイプなんだね、可愛い。君がアイツらを断ってなかったら、俺が口説いてたかも」
可愛い、をこんな息をするように言う人を初めて見た。
きっと、軽い人なんだろうなって分かるのに、心臓が少しだけ高鳴る。
これ以上は危ないって脳が訴えるけど、その瞳に囚われたらもう動けない。
「それより。こんな危ない道を通っちゃダメでしょ?どうしたの?」
「それは…、この道が家への近道で、早く帰らないと心配かけちゃうから…」
優しく諭すような言い方に、自然と口が開く。
口調からして、女の人の扱いに慣れてるんだなって思う。
「そっか。家族思いでいい子なんだね。
ーーなら、ここに来ちゃいけないよ?君が思ってる以上に危ないから、ね」
「…はい」
ものすごい圧に、考える間も無く頷く。
「じゃあ、出口まで案内するから着いてきてね」
彼の赤い瞳と目が合い、ドクンと胸が鳴る。
