「やめて…ください!」

「はぁ?うるせぇな。優しく聞いてるうちに、着いてくればよかったのによ」

「っ…‼︎」



1人が私の肩を押さえて、もう1人が太ももをツーッと撫でるように触ってくる。

…怖い、気持ち悪い。

こんなことされたの初めてだから、どうすればいいのか分からないし、

人通りの少ない一本道だから、助けを求めることもできなくて、ただ俯く。



「ああ、いいねその怯えてる顔。ここで犯しちゃうのもアリだよな」

「ああ、そうするか」



ニヤッと笑った2人が視界の片隅に見えた。

今すぐここから逃げ出したい。

お願い、誰か助けてーー。



「ーーねぇ、ここで何してるの?」



ギュッと目を瞑った時、冷ややかな凛とした声が響いた。



「…何って、なんだよ。あんたには関係ねーだろ」

「関係ないとしたら、何?この子、嫌がってるみたいだけど」

「……」

「君たちのこと、今すぐ通報しよっか?」



目の前に、男の人が立つ。

携帯を片手に、威圧的に相手を見る彼。



「それとも、立てなくなるぐらい殴られたい?」



黒色の、男の人にしては長い髪に、耳にピアスをつけていて、この人も危ない人なのかなって一瞬思う。

今この隙に逃げなくちゃと思うのに、

その後ろ姿に見惚れてしまう。