その瞳に囚われて



「見てないで、答えてよ」




相当不満なのか言葉を促してくる。

正直、とても言いづらい。


「…私が紫杏くんに失恋したって勘違いして、柚朱くんはそれを…慰めてくれてたの」



ピクリと紫杏くんの眉が動く。

聞き捨てならない台詞を聞いたかのように。



「待って。いつから名前呼びしてるの?」

「名前呼びって…、柚朱くんのこと?」

「そう。宮西クンのこと」



どうやら地雷を踏んだようで、怒っているようす。

年相応な顔をして怒るから、正直新鮮で可愛い。



「つい最近かな。先週の土曜日からだよ」

「…へぇ」



気味が悪いほどに優しい笑みを浮かべた紫杏くん。