紫杏くんに続いて歩いてると、次第に歩くスピードを緩まっていき…ある部屋の前で止まる。

コンコン、とドアをノックするのかと思いきや、勢いよくドアを開けた。



「ちょうど二人揃ってるじゃん。タイミング良いね」

「紫杏くんがここに来るなんて珍しいこともあるんですね。で、どうしたんですか？」




紫杏くんが声をかけたのは、優しそうな顔と雰囲気を纏った男の人と、クールでこれまた美形な男の子。

さっきの大雅くんといい、顔面良い人が多いな…。

類は友を呼ぶならぬ、イケメンはイケメンを呼ぶ…？



「ちょっとこの子を紹介しようと思って」



ドアの手前で突っ立ってたのを、前にポンっと押し出される。



「この子が倉沢花澄ちゃんね。万が一のために、しっかり顔覚えといて」

「初めまして、倉沢花澄です。…よ、よろしくお願いします…」




正面を向くと、二人の男の人が私を見ている。

それも、すごく真剣な目で。

あまりにも凝視されるから、一歩、二歩と後ずさりしてしまう。



「…へー、この子が倉沢サン」