「んん〜…」




服を並べては首を傾げ、また並べては傾げ…。

かれこれ、10分弱経過する。



今日は合コン当日。

先生たちの会議などで午前授業で終わり、合コンは後2時間後に迫っている。



「……」



洋服と睨めっこして、決断した。


黒色の上品なワンピースを手に取る。

落ち着いていて、綺麗で、大人っぽい服。

これなら大丈夫じゃないかな。


「……っ」




服を着ようとして…やめた。

もともと、紫杏くんの隣に立つためにって買った服。

今ではもうその意味も無くなってしまったけれど。

なのに。

胸がギュッと締め付けられるような痛くなる。


…だめ、だ。

今はまだ、この服は着る時じゃないのかもしれない。


もう一着、候補にあった服を取って着る。